「弥生?」


俺は我にかえって、いつもどおりに話をして帰った。


俺の異変に気付いたのは、


「………」


亮だけだった。







「バイバーイ!」


高畑兄弟と別れて、家に入る。


兄貴たちがバイトでいませんように!


そう思って戸を開けると、玄関には兄貴たちのスニーカーとローファーがあった。


………いるんだ。


気まずいじゃん………


そう思いながらリビングに行った。


「ただいまー」


「『弥生おかえりー』」


みんなが笑顔で言った。


「テストどうだった?」


空兄が聞いてきた。


「みんなは?」


「俺は、平均90点」


「俺も同じくらい」


「俺も」


尋兄と珪兄と翔兄が言った。


「優兄と空兄は?」


「俺は悪いから言わない!」


「俺も言わない!」


「で、弥生は?」


「いつもと同じ。歴史超悪い」


「勉強したのに悪かったの?」


俺はうなづいた。


「そっか…」


「俺、部屋行くね」


俺はリビングを出た。


だって恥ずかしいじゃん。