私の目線の先には浅賀さんと知らない女性が…抱き合う姿があった…。


「…浅賀さん…?なに…してるの…?」


目の前の光景が信じられず、うまく声が出ない。


私の存在に気付いた浅賀さんは、とても驚いていた。


「…ゆかりっ…!?」

「…約束の時間…過ぎたから…心配になって…。その…。」


途中から言葉が続かなくなった…。

その場にいたくなくて、私の足は走り出した。

思考回路が途切れた頭で私の体は動き続けた。

…気付くと私は駅にいた。

体が自然と浅賀さんとの思い出の場所にいた。