その日の夕方―…



私と月くんは、二人で屋上をでて、真っ直ぐに家へ帰宅した




「さよなら」



家の前
別れ際に、そう言う




隣同士だけど、帰る家は当たり前に違う




『また明日

それより、さよならってやめて

なんか南がどっかいっちゃう気がして、怖いから』




眉をたらし、無理に笑ってみせる月くんは、まだ私が何かをするんじゃないかって、心配な様子




「大丈夫です
もうあんな馬鹿なこと、しませんから

たぶん」




『たぶんじゃ信用していいのか分かんないよ』



私の言葉に、フッと笑いそう言う





『……俺、今から南んちにお邪魔しちゃいけない?』


突然の月くんからの申し出



私はポカーンとアホ面をさらける



『南を見張っとかないと』



「だ、だから!
そんなことしませんって!」




『さっきたぶんって言ったもん』



ムスッとむくれながら、私を上目遣いで見てくる月くん




負けそうになるのをグッとこらえて、私は視線を横へと向けた




その時……



ガチャッとドアの開く音が聞こえた



『あら、南ってば
帰ってたの?』



お母さんの登場






「お母さん」




『こんばんは』



突然のお母さんの登場にも笑顔で対応



月くんは、お母さんに挨拶をした