南side
『はよー』
教室のドアをあけ、明るくみんなに挨拶をする月くんに沢山のクラスメイトが集まってくる
『月お前おせぇよ!』
入学式の日、月くんと一緒にいた人が月くんに不満げに言う
『ゴメンゴメン、寝坊してさぁー』
それでも月くんは笑顔で返す
『加山!俺達も月って呼んでいいか?』
『おう、全然いいよ!』
『加山くん!私達も月って呼ぶね!』
『お前らと関わることあんまなくねぇか?
まぁいいけど』
文句言いながらも、女の子達にも優しく接する月くんは入学して早々に、もうクラス人気者だ
月くんみたいに魅力がない私は、月くんと一緒に来たのにちっとも気付いてもらえなくて、月くんのそんなとこが羨ましくなる
そんな月くんの横を擦り抜け席へと向かう
『南?』
私が教室に入ったことに気付いた月くんが、私の名前を呼んだ
それにビクッと体をゆらしてそーって振り向いてみれば、
月くん以外の皆の驚きの表情が目に入ってきた
『一緒に座ろうよ
席近くなのに無言で座るなんて』
ニコッ一人笑いながら私に話し掛けてくる月くんだけど
私は苦笑いを返すことしか出来なかった

