加山月から攻め宣言をされたその日の夜―…




私はボーッとお風呂につかっていた




「はぁー…」



どういうため息なのか、自分でも分からないけどさっきから何度もため息がもれる




「…はぁー」



何度目かのため息をついた時だった―…



ピーンポーン



家のチャイムが鳴り響いた



そんなのにもあまり気にせず、



「そろそろ上がらないと…」


呟いた時



『こんばんはー』



明るい声が聞こえた


『あら、どなた?』




『突然お邪魔してスミマセン

今仕事から帰ってきたもので

隣に越してきた人から物をもらったって月が言うもので

ありがとうございます

私隣の家の加山と申します
よろしくお願いします
仲良くしてくださいね!』




月って名前にピクッと敏感に反応する私




『あらあら、あんなものしか送れなくてスミマセン

私は安佐奈と言います
こちらが伺えばよかったのにゴメンなさいね

よろしくお願いします

あなたー
隣の加山さん!』



加山月の親が来たことでお母さんはお父さんを呼ぶ




『あ、私、妻の光と言います
こっち旦那の星』




『突然お邪魔してスミマセン

星です。よろしくお願いします。』




加山月のおじさんもいたみたいでおばさんに引き続き丁寧に自己紹介をする声がする




パタパタいう足音が私がいる風呂場前を通り過ぎ玄関に行ったのが聞こえた




私も脱衣場で素早くパジャマに着替え脱衣場のドアから少し顔をのぞかしてみた



『加山光さんに星さんね
素敵な名前でいいですわー
月くんもカッコいいしお利口だし』



頬に手をあてオホホと笑うお母さんにつられ加山月のお母さんも笑う




加山月のお母さん、光さんは美人でお父さんの方はかっこよくて、見ていて羨ましく思った