「どうして私みたいな地味で可愛くもない女なんか好きになったのか

理解に苦しみますよ加山月…」



言って自分を貶す私を優しい笑みで見つめる加山月




『可愛いよ
安佐奈南は、俺が見てきた中で一番可愛い

それは絶対に、この先もかわらないって思う』




恥ずかしいことをさっきからベラベラと、いい慣れてる気さえするけど、そうじゃないんだよね




気持ちを伝えるのが直球なだけで




「加山月…、甘すぎですよ…」




『うん…、俺も言ってて恥ずかしいし』




「じゃぁ言わなきゃいいです」


そしたら、私もドキドキなんてしない


こんなおかしな感情を知っていく必要なんてなくなるから




『今言わなかったら後悔するし、思ったこととか、やりたいことは早めにやっといた方がいいでしょ?


俺のモットー、有言実行!』



私の言葉になんだか誇らしげに語る加山月



そんなこと聞いたって私にはなんでもないんだけど、少しでも知れたことが、どうしてか嬉しいよ





『好きなら好きって伝えるのが恋愛の基本でしょ?


少なくとも今の俺の基本はそうなんだけど


もう照れたり、隠したり、そんなのしたって俺の気持ちばれてんだから


だから…』




「だか…ら?」




だからの続きが聞きたくて、思わず聞き返してしまった



はっと気付いて口を塞いだけど、時すでに遅し



満面の笑みをみせた加山月が二度目、私の頬にキスをして



『これからガンガン攻めるから』



と言って、悪戯っぽい表情を見せた




私はこれから、加山月に溺れていくのかな?



ま、今の私には考えられませんが…