南side



加山月の横を通り過ぎた私は今までにないくらいの怖い顔で歩いてるに違いない



「やっぱ最低な奴なんだ
顔が良い奴なんて大体そう」



一人ブツブツ呟きながら歩く私は引っ越ししてから学校から近くなった家へと足を進める




10分もかからないうちについたそこはまだあまり片付いていなかった




私の家は普通の一件家
忙しそうに外で片付けをするお父さんとお母さんに私は話し掛けた




「ただいま」



『あら、南お帰り
早かったのねー?』



「入学式とHRだけだったから

あ、手伝おうか?」



『ありがとう』



「ううん、カバン中に置いてくるね?」



ニコッと笑顔で言って私は中へと入っていく



二階に行き自分の部屋にしようと思う部屋に荷物を放り投げた



早々に下に足を運ぶ私は再度靴をはいて外にでた



『これ落とさないように運んでー

結構重いからね』



「分かった」



お母さんが手渡す段ボールを受け取った私は思っていたより重い荷物に前に倒れそうになった




「ひゃッ」



『南っ!?』



お母さんのビックリしたような声



忠告されたのに今まさに転びそうになっている私は誰かの手で支えられた




『あら…』



一瞬お母さんが支えたんだって思ったけど後ろから聞こえてきた声で違うと判断し顔をあげてみた




途端私は驚愕の顔に変化した



『あっ』



「な…んで」




私を支えてくれた心優しい人物



それは思いがけない人だった



『…安佐奈南?』



「加山…月…」



蚊の泣くような声で呟いた私は戸惑いを隠せなかった