「沙菜お待たせ。紅茶で良かったかな?」

母さんから紅茶とクッキーの乗ったトレーを受け取って部屋へと戻った。

「ありがとう。ミルク4個もらっても良い?」
「入れすぎだから。」

クスクスと笑って、ミルクを4個渡した。甘党の沙菜はいつもミルクを4個入れる。
知っていた俺はしっかり準備していた。

「もうっ笑わないでよ。甘いのが好きなんだもん。」

ぷくッとほっぺを膨らませて、受け取ったミルクを入れる沙菜。
くるくると混ぜて、白っぽくなった紅茶を一口飲んだ。
さっきまで、ほっぺが膨らんでいたのに沙菜は嬉しそうな・・・ほっとしたような表情になる。
紅茶の甘さに満足したみたいだった。
その姿が可愛くて口がほころんだ。

2人とも紅茶を飲んで、クッキーを食べて、少しまったりしてから勉強を始めた。
一応、春から受験生になったから毎日少しずつ勉強をしている。

「雅樹〜。ここわかる?」
「えっと〜。ここは─…」
「沙菜ぁ。この答えって合ってる?」
「ん〜?間違ってるよ。たぶん途中でミスしてる。」

「そういえば、数学の松センの話し聞いた!?結婚するって!!」
「聞いたぁ♪年下の綺麗な人らしいね」