愛しいキミへ

え…っと
笑ってる?
てか、何で沙菜と別れてること知ってるんだ!?

戸惑っている俺を見て、由香利はコロコロと笑う。

「なに慌ててるの?私がまた泣いて喚いて、引き止めるとでも思った?」
「…正直そう思ってた。殴られる覚悟もしてきたし…。」

俺の言葉を聞いて「もうー」っと頬を膨らませて、怒っている仕草をした。

「私だって覚悟して、会いに来てるんだから!今日は何でいつもの公園にしなかったと思ってるの?」
「え…っそれは、このカフェに俺と来たかったから…じゃないの?」
「それもあるけど~。」

アイスティーを飲みながら理由を話す。

「今日は泣かないって決めてたから。こんな店内じゃ泣くに泣けないでしょ?」

店内を見回し、微笑みながら話す由香利。
そうだったんだ・・・

「最後は泣き顔じゃなくて、笑顔の私を覚えてて欲しいの。」

にっこりと笑う目元には、少し涙が浮かんでいた。
それでも必死に笑顔でいる由香利が、とても素敵に見えた。

泣いて俺を引き止める由香利はもういない。
前を見つめて、しっかりと自分を持っている。
この子は・・・なんて強いんだろう

「覚悟があるなら一発、ひっぱたいても良い?」
「え!?…したいなら…どうぞ。」
「あはは。冗談だよ!別に今までのことも怒ってないし!」
「由香利も冗談とか言うんだな。」

なんか・・・
今まで見てきた由香利と雰囲気が違う気がした。
冗談を言ったり、大きく口を開けて笑ったり・・・一緒にいた頃より明るく元気な印象を受けた。