愛しいキミへ

「…って言わなくても、なんの話かわかるよね。」

苦笑いをしながら、少しうつむく。
わかってはいる。
でも由香利から聞きたいから、何も返事はせずに言葉を待った。

突然、由香利は水をぐいっと一気に飲み干した。
ダンッ!
コップを置いて、俺を真っ直ぐに見て・・・

「私は雅樹くんが好き。もう一度私と付き合ってくれませんか?」

真剣な瞳。
純粋な想いが心に響く。
いつも俺は由香利から逃げていた。
目を見ず、想いを見ず・・・逃げていた。
でも今日は逃げない。
真っ直ぐと由香利を見て、俺の気持ちを伝える。

「ごめん。俺はもう、由香利と付き合えない。今まで傷つけて本当にごめん。」

最後に頭を下げた。
今日は罵倒されようが、何を言われようが、全部聞くつもりで会いに来た。
・・・希望があるなら殴られても良いぐらいの気持ち。

それぐらいのことを俺は由香利にしてきたと思う。

じーっと無言で見つめられ、背中に冷たい汗が流れる。

やばい・・・
これは罵倒がくるか?
それとも泣き出すか?
店内でそれは・・・でも仕方がないか・・・


すると由香利は表情を緩め、小さく笑った。

「やっぱりダメかぁ~。沙菜と別れたって聞いてたから、もしかしてって思ったんだけどなぁー。」

にっこりと笑顔を見せられ、俺は戸惑った。