愛しいキミへ

「…ねぇ、悠兄は沙菜のこと…。」

なんて聞こうか迷った。
まだ好きなのか・・聞きたいと思った。
でも・・・何で別れを告げたのか・・・理由をまだ聞いていない。
これを聞いてからじゃないと、悠兄の本心はわからない。
そう思ってしまう。

けど今聞いても、答えてくれないと思った───

「なに?」
「…俺、来年K大を受験するんだ。」

悠兄と並びたい
追い付きたい
それだけの理由だけど、俺の決意を悠兄にも言っておこう

「今年は学力足りなくて受験しなかったけど…来年は受かってみせる。」
「そっか。頑張れよ!大学で会えるの楽しみにしてるよ!」
「うん。それで…悠兄…。」
「うん?」

深く深呼吸をして言葉を続ける。

「俺がK大に受かったら、悠兄が沙菜と別れた本当の理由を話して欲しい。」
「え?」
「…悠兄の本心を俺に話してくれないかな?子供だなんて言わないで…。」

悠兄の顔から笑顔が消えた。
何かを考えているように見える。
少し緊張しながら、悠兄からの返事を待った。

しばらく考えたあとに、また笑顔で答えた。

「わかった。雅樹が来年、K大に受かったら全部話すよ。」
「約束だよ。」
「あぁ。しっかり勉強して来年、入学してこい!!」

約束をして悠兄は帰っていった。

頑張ろう
絶対に一年で受かってみせる

悠兄との約束が、さらに俺をやる気にさせてくれた。