愛しいキミへ

ガッチャ
リビングの扉を開けると、ニコニコと笑顔の母さんが目に入った。
その隣で、同じく笑顔の父さん。
二人と向き合ってソファに座り、俺に背を向けている人物・・・。
俺に気づいて振り返った。

「お帰り、雅樹!高校卒業おめでとう♪お邪魔してます♪」

爽やかな笑顔の悠兄だった。

「悠兄!久しぶりじゃん!どうしたの?」

久しぶり会った悠兄に俺も笑顔になった。
悠兄はかっこよくて性格がいいから母さんのお気に入り・・・そりゃあれだけの笑顔で話すわな・・・。

「卒業式に顔出せなかったから、一言お祝いに来た。」
「わざわざ良いのに!…俺の部屋行こうよ!」
「おう!…おばさん、おじさん。こんな時間まですみませんでした。もう少しお邪魔してます。」
「いいのよ~♪雅樹!悠ちゃん、ずっと待ってたんだから、ちゃんとお礼言いなさいよ!」
「わかってるよ。…悠兄、早く部屋行こ。」

母さんの小言を聞き流して、二人で俺の部屋に入った。
俺の部屋に悠兄が来るなんて、いつぶりだろう?

俺も悠兄も床に座る。
悠兄が来ているから、着替えはあとにして、とりあえずブレザーだけ脱いだ。

「改めて…卒業おめでとうな。泣いた?」

少し意地悪な笑顔で問いかけられる。
・・・そういえば去年、俺の泣き顔を見に来るとか言ってたな

「残念!泣かなかったよ~。」
「マジかよ。絶対に雅樹は泣くと思ったんだけどなぁ~。」

なぜか悔しがる悠兄とふざけあう。
この感じがすごく懐かしかった。
悠兄も俺がネクタイをしてないことに気づいて、からかってきた。
雅樹はやっぱりモテるって言うけど・・・悠兄には敵わないですから