愛しいキミへ

「俺は沙菜が好きだよ。だから、中途半端な気持ちの沙菜と一緒にいるのは…正直辛い。わからなくなってるのも、悠兄と別れてすぐに俺と一緒にいたせいかもって思う。…指輪はずせないのは、まだ悠兄のことを好きだからなんじゃないかって思う。」

不安そうな顔で黙って聞いている沙菜。
今、沙菜を俺は抱きしめてはいけない。
まだ伝えたいことがある。

「俺とも離れて、ゆっくり考えて?沙菜の本当の気持ちを…誰と一緒にいたいのかを。悠兄を選ぼうと俺は沙菜を攻めない。…もし俺だって言ってくれるなら…俺はもう沙菜を離さない。」

俺は自分の気持ちと向き合った。
だから沙菜にも自分の気持ちと向き合って、本当の気持ちを見つけて欲しい。

「沙菜。ずっと…小さな頃から大好きだった。だから俺の気持ちは簡単には変わらないつもり。」

悠兄と付き合っても、傷つけられても、変わらなかった気持ち。
これからも変わることはないと思う。

「待ってる。沙菜の答えが出るまで。…それまで会わない。連絡も俺はしない。」
「雅樹…!会わないなんて…言わな…」

沙菜の言葉を遮るように、俺は優しくキスをした。
俺の決心・・・沙菜の言葉で揺らいでしまいそうな気がしたから───

最後になるかもしれない沙菜とのキスは涙の味がした。

「…ばいばい。沙菜。」

それだけ言って、急いで階段を降りた。
もう会わないかもしれない・・・
ぎゅ──っと痛む心を押さえて、学校をでた。


一年の頃───
沙菜への気持ちを隠して、別の人を見ようとしていた
ただの幼なじみでいようと思ってた


二年の頃───
距離を開けて、気持ちを離そうとした
でも傷つくキミを見て、どんなことがあってもそばにいようと思った
守るって決めた

三年───
そばにいられて幸せだった
もっともっとキミを好きになった
だから傷つき離れることを決めた


沙菜でいっぱいだった高校生活が今日終わった───