愛しいキミへ

「全然、連絡がとれないと思ったら…なんて顔してんだよ…雅樹。」

連絡がとれなくて当然。
クリスマスイヴの日から、携帯は放置したままで充電すらしていない。

「…雅樹、何があった?おばさんの話じゃ、飯も食ってないらしいじゃん。」

机の椅子を引き寄せ、ベッドに腰かける俺と向き合った。
見たことのない表情に、直哉じゃないみたいだ。

「雅樹。俺は本気で心配してるんだ。…話してくれよ。」

これ以上、直哉に心配をかけちゃいけない。
重たい口を開く。

「……沙菜と別れた。」

久しぶりに出した声は、かすれて、自分の声じゃないみたいだ。
俺の言葉を聞いて、開いた口が閉じなくなった状態の直哉。

「…いつ?」
「イヴの日。俺から別れようって言った。」
「はぁ!?なんだそれ…何でそんなことになったんだよ!?」

ゆっくりとイヴの日のことを話した。

一緒に勉強をして、ケーキを食べて・・・楽しかったこと
雪を見て、キスをして・・・幸せだったこと
指輪を渡して、返されて・・・ショックだったこと
傷ついて、別れを告げて・・・悲しかったこと

聞いている直哉の顔はずっと雲っている。

話し終えた瞬間、自然と涙がこぼれた。
あぁ・・・あんなに泣いたのに、まだ涙が出るんだ・・・

俺の泣き顔を初めて見た直哉も、涙を流していた。

「…なんで直哉が泣いてんだよ…。」