「……」



少しの沈黙が続いて、悠は答えた。





「…こんなこと、もう言ってやれねぇと思うから、ちゃんと聞いてろ」



そう言って照れたようにあたしに顔を近づける悠は、初めて見る可愛い顔で。



それはもう、世界で一番甘いんじゃないかって思う程。





―…多分この先、悠のことを100パーセント信じきれるっていう自信はない。



それは今までの経験で物語っているから。




悠が浮気をしてないってことは、ちゃんと理解している。



でもきっと、どんなカップルだって


お互い100パーセント信じきれているカップルなんて、いないって思うんだ。



不安や悩みを、自分が気づかない内に抱えこんでしまっているから。



その結果、すれ違いが生じてしまう。




善ければ継続。



悪ければ別れ。






でもちょっとくらい、冒険をしたっていいと思うんだ。