あたしには、悠だけだった。 悠が全部だった。 悠があたしの世界の中心ってくらいに。 それがもう、崩れ落ちたんだ。 『…う…っ』 あたしが今までみたいに、我慢すればよかった? ずっと、気付かないふりをすればよかった? 知らないふりをして、表面だけの幸せを掴んでればよかった? そんなの あたしには耐えられなかった。