そう言った途端に、自分の心臓をギュッと掴まれたような感覚になった。



「…なんで」


悠はいつもどうりの落ち着いた表情で私を見た。


当たり前だよね…

もともと私なんて好きじゃないもんね…

悲しいなんて、思うはずない…



『私…悠が好きだよ。
最初はそれだけでも傍にいられた。

―…でも、悠に気持ちがないなら…もう辛いだけだよ』


好きじゃないなら

身体だけの関係なら

もう一緒にいられない。

ううん

いたくない―…



「だから―っ…」


『もういいから…!


もう悠の前に現れない…

もう好きだなんて言わない…

もう悠を…縛りつけないから…



幸せになってね―…』



そう言って、私は家を飛び出した。