【長編】Lover only of name[おまけ追加]

「てか、ななくんは?」


「いるわけないだろ。」


当たり前のようにいうななくん。


「なんでよ。」


「まあ、好きな奴がいるんだよ。」


ななくんは、照れたように言った。


友紀は、一瞬目を見開きショックを受けていた。


知り合って、そんなたたない友紀とななくん。


ななくんの言い方が、昔から好きみたいなね。


「ななくん、誰?」


私は、友紀に気にせず聞いた。


相手がわからないままの失恋の方がつらいって思ったから。


「誰だって、いいだろ。」


ななくんは、恥ずかしいのか言い方がきつい。


「よくないよ。
一応、私と友紀は候補だよ。
どうする気?」


「俺の場合は、うまくいけば、好きな奴とだからいいんだよ。」


ななくんは、濁しながら言った。


それって。


「ななくんの好きな人ってゆ」


言っちゃいそうになったところでななくんは私の口を押さえた。


「お前、言うなよ。」


ななくんは、私を睨んでいた。