「雄一....」


「柚?
どうした?」


雄一は、私の深刻そうな顔を見て戸惑っている。


「あのね....」


私は、この前のことを順を追って話した。


雄一は、たまに相槌をうってくれた。


私が話し終わると何かを考えていた。


「柚はさ。別にその男をなんとも思ってないんだよな?」


雄一は、確認するように私に聞いた。


「うん。雄一だけ。ただ、なにをしてくるのかわからないから怖くて....」



「大丈夫だから....」


私を抱きしめ、背中をあやすようにポンポンとした。

雄一は、やっぱ、へたれじゃないや。


だって、こういう必要な時は、頼りになるから。


まあ、私が変に弱気なせいだけど。


「雄一....」


私は、雄一の名前を呼んで少し離れた。


「うん?
どうした?」


なんかどうしよう。


恥ずかしくなってきた。


今、雄一の名前のあとに


『キスしよう』


って、言おうって思ったんだけど。


なんか....


安心したいというか....


なんて言うかね。