放課後。


私と雄一しかいない教室。


「柚。
話って?」


雄一は、浮かない顔をしていた。


そんな顔してほしくない。


私のこと好きじゃないのに。


私の決断が鈍りそうだ。


「ごめんね。
....別れて。」



私は、申し訳なさそうに言った。


実際そうだ。


私から


『つきあって』


って言ったからね。


「えっ?」


なぜか、雄一はありえないって顔されてる。


「だから....別れて。」


「ど、どうして?」


なんか、都合のいいように考えてしまう。


私と雄一は、同じ想いなんじゃないかって。


「もう嫌いになった?」


そんな切なそうな目で見ないで。


「私は、雄一が好きよ。
けど....」


「佐倉か....」


「えっ?
違うよ。
佐倉くんとは、なにもないもん。」


雄一がおかしい。


こんな私に興味を示すなんて。


「なんで、言わないわけ?
あいつに宣戦布告された。」


「だって、断ったし。
それに、雄一だって告白されてるでしょ?」


おかしいじゃん。


私が言わなきゃならないなんて。


「...されてない。」


「えっ?
なに?」


小さい声で言うから、聞こえなかった。


「柚が、彼女になってからされてない。」


「.....。」


なんて答えていいかなんてわからない。


でも、嬉しいかな。


「俺だって、柚が好きだ。」


「ヤッ....エッ?」


ビックリした。


なにを突然。


「俺が柚を好きだって。
周知の事実だよ。」


この展開なに?


頭がついていかない。


「まさか、柚から告ってくれるなんて思わなかったけど。」


それが、本当でもつじつまがあわない。



じゃあ。


どうしてだろう。