父さんは、ニッと笑って言った。



「聖なる星を撮りに行くんだ。」



「へえー、星を撮るんだ。」



「父さんは、やっぱり星を撮るのが一番好きなんだ。あー、楽しみだー。一星、期待しとけよ!!いい写真撮ってくるからな!!」



そう、あの日もいつもと変わらなかった。



父さんが山や海や海外や・・・、写真を撮りに行くのが仕事だから、出ていくのはいつものこと。



いつもと同じカバンを背負って、いつもと同じカメラを持って・・・。



いつもと同じように、俺の頭を撫でながら言った。




「じゃあ、行ってくる。母さんのこと頼んだよ。」




同じ笑顔で、家を出た。