「一星!!早く起きなきゃ遅刻するよ!!」



下から聞こえる甲高い母さんの声で、目を覚ます。



眠い目をこすりながら、階段を下りていくとキッチンからはいいにおいがする。



ドアを開けて、ダイニングの椅子に座ると、向いに座っている父さんはいつも新聞を広げていた。



母さんは、笑って俺の朝食をテーブルに置く。



「どうぞ!」



「いただきます。」



こんな朝が当たり前だって思っていた。



俺がこの家にいる限り、この光景は変わることがないとー。




「さーて、そろそろ行こうかな。」



父さんが新聞をたたみ、立ちあがった。



「今日は、どこに行くの?」