「聖香、知らないの?和瀬川君
、今女子の間で王子って言われ
てるんだよー!」






美穂が、持っていたお弁当を置
き、身を乗り出して言った。







「へえ、そうなんだ・・・。」





そんなこと知らなかった。




確かに、一星はかっこいいもん
ね。






私みたいな、普通の子・・・。




席が、隣じゃなかったらきっと話
すこともなかったんだ。





お昼休みが終わって、授業が始ま
った。






数学の公式なんて、頭に入らなか
った。






ツンツン・・・





「!!」