ドクン。


心臓がギュッと掴まれた感じ。

脈が速くなるのが分かる。


「なんで・・・?悠斗先輩のコト・・・。」


今度はニヤニヤしながら、

「あのトキさぁ、母さんがもうちょっと勇気を出してたらねぇ。ま、今度は頑張って。里・緒・ちゃん。」


瑞己が人差し指で、ツンと私のおでこを突っつく。


コイツ・・・一体どこまで私のコト知ってるの?
未来から来たから?
それとも本当に親戚で、私が忘れているだけ?


1階からお母さんの声が聞こえた。

「瑞己くーん。お風呂の準備が出来たから入ってー。」

「はーい。今行きまーす。」

瑞己がお風呂に入るため部屋を出ようとしたトキ、なにか呟いていた。
私にはよく聞こえなかったけど・・・。





「頑張ってもらわないと、俺が困るんだよ。」