もう1度、夏目センパイのほうを見る。


うわぁ。
当たり前だけど、夏目センパイが眠ってる。

センパイって、あんましヒゲ生えないのかな?
顔ツルツルだよぉ。
寝顔、無防備でカワイイ。


写真、撮りたいかも…。



くるっと後ろを向いて、確認する。

瑞己ってば、おっきく口開けて寝てる。
これは今がチャンス★



カシャ。

シャッターの音ってば、意外と大きくて、心臓がキュっとなった。



「何してんの…?」


背後から眠たそうな声がした。

瑞己が身体を起こし、目をこすりながら聞いてきた。

一体、いつの間に起きたんだろ。
でもまだ寝ぼけてるっぽいから、気づかれてないよね…?



「な…なんにも?私、ちょっと温泉に行って来るね。」