くぅ、アッキーのバカー。

もう少しじっくりと、夏目センパイのカッコイイ姿拝んでいたかったのにぃ。



私はチョコレートを探すために、家へ戻った。

チョコレートを持って家を出るトキ、車のほうから紗英ちゃんの声がした。


「里緒ー、もう出発できるから、そのまま鍵閉めてきてー。」

「分かったー。」



紗英ちゃんの言うとおり、しっかりと小松家の玄関の鍵をかけ、車へ行くとみんなの姿は無く…。


あれ?なんで?
まさか、真夏の怪奇現象“ザ・神隠し”!?

キョロキョロと辺りを見回してると、車の助手席の窓が開いて、にゅっと瑞己が顔を出した。



「何やってんの?里緒ちゃん、早く車乗りなよ。」

「ゴ、ゴメンね。遅くなって…。」


なんで私が怒られてんのよ。
分かったわよ。さっさと車に乗ればいいんでしょ!!



瑞己に急かされ、車に乗った瞬間、あるコトに気づく。