ぶっ。


今が夏休みで、勉強している人がいなくって良かった。

ここが図書室だってコトも忘れて、私と光莉ちゃんは思いっきり大きな声で笑った。




「あたし達、1度離れるコトにしたんです。距離置いて、また悠斗に片思いする。悠斗に心から好きになってもらえるよう、女磨きする。里緒先輩、競争ですよ?」



“ありがとう”を言うよりも、“ゴメンなさい”を言うほうがとても勇気が必要で、難しいと思う。



光莉ちゃんは、とても勇気がある女の子。

カッコイイよ、光莉ちゃん。



15歳の恋は、小さな蕾のまま花を咲かせるコトはなかったけど、私はこの夏かけがえのない友達を手にした。



光莉ちゃん、頼りないかもしれないけど、これからよろしくね。

きっと私、立ち止まっちゃうコトがあるだろうから、そのトキは力強く背中を押してね…。