どれくらい抱きしめられてたんだろう。

お互い、ゆっくりと離れ顔を見合わせた。



わしゃわしゃわしゃ。

悠斗先輩の大きな手が、私の髪をぐちゃぐちゃにする。



うわっ!何???


太陽の光と悠斗先輩の笑顔。
重なって、キラキラして眩しい。


「アイツと、絶対幸せになれよ。何かあったら兄ちゃんに、ちゃんと言うコト!いいな?」

「う、うん…。」


悠斗先輩の気迫に負けて、思わずうんって返事しちゃった。
だけど………。



「ア、アイツって?」

「里緒、せっかく来たから図書室行ってみないか?俺、トイレ行ってから行くから、先行ってて。」


そう言うと、立ち上がってパンパンとジーパンに付いた砂くずを軽くはらい、悠斗先輩は行ってしまった。


返事も聞かないで行っちゃうなんて、悠斗先輩らしくない。
それに、私の質問の答えは…?