「こんなに買ってどうすんの?」


悠斗先輩の質問に、私の心臓はピクンって飛び跳ねる。
落ち着けーって言い聞かせながら、不自然じゃないように、質問に答える。



「珠ちゃんや櫻井君が来てるの。大学案内してほしいって頼まれて。みんな勉強するの、ちょっと嫌になってるみたい。見てまわったら、やる気出たって言ってたけど。」

「ったく、あいつら単純だなー。んで、優しい先輩はみんなにジュースを奢ってあげようって?」


悠斗先輩が笑う。


「まぁ、そんなトコロ。悠斗先輩は?」

「俺?俺はサークルの練習。喉渇いたから、飲み物買いに行ったら里緒とばったり★ってワケ。俺も久々に、あいつらに会いたいなー。なぁ、俺も行っていい?」

「もちろん。悠斗先輩が現れたら、みんなきっと驚くよ。ヒーロー登場!!って。彼らにとって、悠斗先輩はヒーローのままだから。」


ちょっと、意地悪なんか言ってみた。


「なんだよ、里緒~。ヒーローのままって。それじゃ、俺が今はヒーローじゃないって言い方みたいじゃん。」

「そう?」



あっという間に、あの頃の2人に戻れたみたい。
先輩と離れてた1年とちょっとが嘘みたい。