「用意いいだろ、俺。やると思ってたんだ。指出して。」


瑞己に言われるがまま、人差し指を出す。

自分の息子とはいえ、年頃の男の子に指を舐められるなんて…。
そんな経験もちろんない。

すごい速さで、心臓がバクバク動いてる。
耳も熱くなってるのが分かる。




「家に帰ったら、ちゃんと消毒しろよ。」


絆創膏を貼ってもらい、顔を上げると…。

ちょっと遠くだけど、瑞己の後ろに夏目センパイがいた。
一瞬だったけど、夏目センパイと目が合った。


そして、目が合った瞬間…。
夏目センパイのほうから視線をはずした。



嫌な予感がする。
胸がザワザワしてくる。



もしかしてセンパイ…、私と瑞己のやりとり見ていた…?