「チケット二枚で二千円になります」 「はい」 雪奈が自分の分を払おうとしている。 『はい』 「え?」 僕は雪奈の横から二人分のお金を出した。 『僕が誘ったんだし、僕が払うよ』 「でも…」 『いいからいいから』 それでも納得できないのか、何かを考えている。 「ちょっと待ってて?」 そう言って雪奈はどこかに行ってしまった。