宇宙船──

魚の乗り物はそういうものらしい。

私たちは魚型の宇宙船の中に入った。
魚の宇宙船の中はいくつもの部屋に分かれていて、思ったより快適そうだった。

「この船は従来必要と思われていたものがいらなくなったので
 居住性が大幅に上がる事になりました」

「思われていた・・
 そういえば実際に人を乗せたロケットはまだないんですよね?」

「えぇ、今までのロケットは人を乗せるだけの性能を得られませんでしたから
 この船でやっとそれが実現される訳です」

船の壁はあの駅で見た布の様な白い素材だった。
手で触れている私の様子を見てネルビー助手が言った。

「この素材が気になります?」

「これってここの駅と同じものですよね?」

「そうです
 こう見えてとても丈夫で火にも強いんですよ

 宇宙に近づくと船の外からすごい力で引っ張られる様になるのですが
 この素材はその力に楽に耐える事が出来ます
 もちろんこの船の外装にも使われてますよ」