出発の汽笛を鳴らし、小さな汽車は軽快に動き出した。
小さな汽車は馬車と蒸気機関車をつないだ様な妙な形をしていたが、
お世辞にもカッコイイとは言えず、それぞれが別の主張をしていて不格好だった。

「どんな工場に向かうんですか?」

「新世代のエネルギーを利用する製品を作っている工場だよ
 例えばね、例の光る石があるだろう?
 ああいうのも、まぁそうなんだけどね・・

 あれはこの世界だけのものと胸を張って言えないから
 ちゃんと胸を張れるものを作ろうって訳でねぇ~」

「ということは光る石とは別のものって事ですか?」

「そう!
 我々もそろそろ自分の頭を使って考えないとね
 のぉネルビーくん?」

「えぇ、今はその為に日々研究をしてるんです、
 私はまだこれという実績はないんですけどね・・」

汽車は金網で囲まれた大きな敷地面積のゲートをくぐった。
くぐった先に大きな建物が見えたが、汽車はその横を通り過ぎ奥へ進んだ。
奥は見渡す限り何もない平らな地面が広がっている、汽車は軽快なリズムを刻んで走っていった。