私は知らない世界の夢を見て、そこで生活をしているココロを見つけた。

ココロは別の星にいた時、ああいう生活をしてたのかな。
知らない顔と笑っているココロが脳裏にチラついた。

私はそっと部屋を出て、昨日行った川岸のベンチへ行き腰を下ろした。
辺りは静かに静まり返り、川のせせらぎに混ざり虫の声が聞こえる。
月の光が程良く明るくて心地がよかった。

私はため息を1つつき、コバルトをそっと弾いた。
澄んだ音は辺りにとけ込んでゆく。

夢で聞いたこの曲、いい曲だな。

この曲をココロに聴かせたら記憶が少しは戻るかな?
でも・・記憶を戻したらココロは夢で見た誰かも思い出すんだろうな。

私は工場裏にいた時の事を思い出してハッとした

──工場裏でココロは誰かを待っていたんじゃないか?