私はそのままゆっくりと目開く感覚で目を覚ますと辺りを見回した。
そこは旅館ねじの客室、まだ明けぬ暗い夜が続いており、ココロもまだ眠っている。

さっきの夢は・・
私の知らない街に私の知らない顔、そして私の知らない歌。

あの夢は何だったのだろう、私の想像で作り出された夢なのだろうか。

──それとも?

私はあの歌を忘れない様、壁に立てかけていたコバルトを手にとった。