昼前に私たちの乗った汽車は歯車市に着いた。

ココロはもちろんだろうし、私もここは初めて来たのだけど、
降りてまず駅の大きさと人の多さに驚いた。

『わぁ~天井が大きいの!』

ココロは嬉しそうだった。

駅全体が巨大な白いボールを半分に割った様なものにすっぽりかぶさっている。
白いボールの様なものは、外の光を通している様で駅全体はとても明るい。

壁や柱はコンクリートや鉄とも違う何か別の物の様に見える、
その表面を見ると布の様に細かい編み込みがされていて
それらは見たこともない素材で出来ている様に思えた。

工業で栄えている都市とは知っていたけど、
まさかここまで私達の街とまるで違うとは驚いた。

改札を出ると大きな地図のある広場に出た。

「えーと・・大学はどこかな」