宇宙ネコは自分の名前も、自分がどこから来たのかも、ママがどこにいるのかさえ知らなかった。


『知らないの
 宇宙ネコは知らないの
 調べて欲しいの』

「つまりキミは
 自分がどこから来たかを知りたい、と言うわけだね?」

すると長い耳をくりんと回し、宇宙ネコはにっこりと微笑み頷いた。

「とりあえず
 覚えている事を何でも聞かせてくれないかな?」

しかし、
宇宙ネコの覚えている事は、ほとんど役に立ちそうもなかった。

廃材の入手方法、
食べ物の獲り方など今の暮らしの方法だけだったから。

『お願い、
 調べて欲しいの』

宇宙ネコは目を輝かせてそう言うと、また耳をくりんと回した。