「あぁ、
 あの廃工場の奥だよ」

そういって、雑貨屋の主人は方向を指で示した。
私は主人に例を言うと、遠くに見える廃工場へと向かった。

──廃工場

今から5年程前までは活気があったらしい。

しかし、ある日突然廃れてしまったそうな。
街にはその理由を知る者も、何を作っていたかすら知られていなかった。

その工場の裏には、工場周辺から寄せ集めて組み上げたと見える小屋があった。

小屋からはかすかな灯りがもれている。

「ここだな」

中に人の気配を感じる、私は扉を軽くノックしてみた。

入り口の扉はただはめ込んだだけらしく、開閉するようにはなっていない簡素な構造だ。
そのせいか、ノックしたショックで扉は少し傾いだ。

その扉が横にずらされて開いた。

「キミが…?」

『ようこそ
 わたしが宇宙ネコなのです』

宇宙ネコは、耳の長い青く美しいネコだった。