「大きな顕微鏡でそれの粉を見るとだな
 なんと蜂の巣の様な構造をしとるんだよ
 作るのには光る石を使わないと無理だったけど」

「なるほど~
 僕も蜂の巣構造を顕微鏡で見てみたいです」

博士とネルビーは楽しそうに専門的な話しを始め、ボク達はまた取り残されてしまった。

またはじまった・・博士達も油断出来ないな。

「そうだ
 ネルビーちょっと」

グレサトがネルビーを呼び、博士との会話に割って入った。

「え?お茶?
 あ、もうない?」

「お茶はまだ、
 昨日の蛍なんだけどさ
 まだ取れないんだけど」

グレサトのあのお茶はネルビーが用意したのか。
いつも飲み物はネルビーがいつの間に持ってくるんだけど、さっきのグレサトへのお茶のタイミングって人間技とは思えないな。

「そっかぁ
 やっぱり吸い取らないとダメなのかな」

「これ、持ってきたから
 吸い取っておいてね」

そう言って、グレサトはネルビーに大きな袋を突きつけた。

「あ、うん・・」

ネルビーって、まるでお手伝いさんみたいだな。
ふと博士を見ると、あからさまに見ない様にしているのがおかしかった。
好奇心の塊の様な2人にも、グレサトは苦手な様だ。

「よし
 じゃぁ行こっか」

唐突にグレサトはボク達に言った、行き先はもちろん旅館ねじなのだろうけど。

「えっ?もう行くの?
 でも・・」

ボクはそう言って博士を見ると。

「もう大丈夫だよ
 グレサトくんをよろしくたのむ」

何が大丈夫なのか分からないけど、恐ろしい反応速度でよろしくされてしまったな。

『わかったの~!』

ココロはそう言って敬礼をした。