実験が終わった頃、博士が研究室に戻って来た。

「博士お疲れ様です
 試作品の調子はいかがでした?」

「うん、なかなかいい感じだったよ
 そうだ、あの装置の原理を大分長くなるが説明しようかね」

「え‥いや、今日は遠慮します」

ネルビーは露骨に遠慮した、
ボク達もそろそろ帰りたいし、長話はなるべく避けたい気分だ

「そうかね?
 話したかったのに、残念だなぁ~」

「あ、宇宙での食事なんですが
 グレサトが担当してくれるそうですよ」

「おぉ?
 グレサトくん、本当なのかね?」

「そのつもりだけど
 何か問題でも?」

グレサトは服についた、たくさんの青白い光を気にしながらもそう答えた
少し暗くなってきたこの部屋で、その光がやけにきれいに見える

「いやね、君が研究なんて珍しいよね
 宇宙って引力がないからバラけるものだと凄い事になるんだな
 それだけ気を付けてね?」

「それはね、一応知ってるよ
 なるべくバラけないものにして袋に入れるんでしょ?」

「そう!
 前にロケットを打ち上げた時にね、
 宇宙空間では物がどう動くかとかの実験もしたんだけど
 密閉された箱で自動写真とってみたら大体がじっとしてなかったよ
 特にスープは凄い事になってたなぁ」

グレサトは何かを思い描く様な仕草をして、人差し指を頭にトントンと軽く叩き何か考え出した