私は雑貨屋の主人を訪ねてみた。

「やぁ、あんたか
 宇宙ネコはどうだったね?」

私は宇宙ネコの様子を伝えた後で、雑貨屋の主人に聞いてみた。

「この町で、
 工場以外に様子が変わったことってないですかね」

「う~ん、
 どうだろね?

 この町じゃ、
 他にはないんじゃないかな?」

「それじゃ
 宇宙ネコの所に出入りする者は?」

「わしらはあの工場には
 近づかない事にしてたからなぁ~

 なんてったってね、
 あの場所は昔から色々あってねぇ…

 それに、
 あの工場に勤めてたのは、
 皆よそから来た連中だから知らないんだよ」

「昔から色々って?」

「悪い噂が立つと嫌だから、
 ここだけの話にしてくれるかい?

 …実はね……」

あの廃工場はかつて、処刑場だったそうだ。
この平和な世界に、まさか処刑場があったなんてにわかには信じられないのだが…。