街から少し離れた工場裏に住む宇宙ネコは、夜になるといつも窓から夜空を見上げていました。

いつものように、夜空を眺めていた宇宙ネコは思いました。

『今日はなんだかとっても悲しいお空なの…』

宇宙ネコは夜空を眺めて泣いていた。

工場からかすかに立ち上る淡い悲しい光が、空高く上がっていってお月さままで続いています。

『この光は天の川まで行くのかな?』


宇宙ネコは、その悲しい光に歌を歌ってあげいました。

辺りに宇宙ネコのやさしい歌声が広がります。

宇宙ネコが歌うと、その悲しい淡い光の悲しさが薄れていった。

やがて、工場の灯りも落ち辺りに静寂が広がると、その淡い悲しい光も消えていった。


『お月さまは知ってるの?
 宇宙ネコはどこからきたのか知りたいの』

宇宙ネコは自分がどこから来たのか知らなかった。
暗い夜空の下、宇宙ネコはまた泣いた。