その時、アサミと目が合った。


ニヤリと笑った顔。


全て演技なんだと、アタシは察知した。




自分のことしか考えてないアサミに、アタシは腹が立って。


「海見に行ってくる。」


それだけ言い残し、部屋には戻らず、ロビーから出ようとした。


「俺も行くよ。」


「ユッキー…」


「何か、アサミちゃんが主役みたいだよな(笑)」


「そうだね。」



ユッキーの顔を見ていたら、アサミに対するイラ立ちなんか、どこかへ行ってしまうような気がした。



ユッキーは、アタシの中で特別。


いきなり告げられた、衝撃的な過去。

いきなり告げた、衝撃的な過去。


それが、アタシたちを、強く強く引き付けていた。