「“様”を付けるのは、ユイだけにしろ。…お前が俺より格下だとは、思えないからな。」 「…私について、何か知っているのですか?」 ヤイバは、仮面の奥の眼光を険しくした。白牙が自分の正体を知っている可能性は高い。だが、それをユイに教えさせるわけにはいかないのだ。 自分は、“式神”としてしか、現世で彼女の側に居る事ができないのだから。 真実を教えられない以上、神だと知られた瞬間から、ユイの憎悪の対象になってしまう。 だから、 「何を、知っているのですか…?」