怯む事なく答えたヤイバを頼もしくは思ったが、相手は魔王。場の空気を制しているのも間違いなく彼だ。


「…何用でしょうか。」


「用がなければ来てはならぬとでも…?」


ヤイバが単刀直入に魔王に尋ねても、あっさりとかわされた。
けれど私は、魔王とヤイバのやり取りよりも白牙が感情の消えた表情でこちらを見ている事の方が怖くて、何も言えないでいたのだ。すると、魔王の視線が私に向いた。


「…ユイ」


「ぁ、はいッ!」


「明日…いや、既に日は変わったから、今日だな。
そいつを連れて私の元へ来い。良いな?加減をする気はないぞ。

―――本気で、私を殺しに来い。」



それが、宣戦布告だった。