記憶を持つ者

「大人しく斬られるのも良いが、雰囲気やシチュエーションは大事だろう?」


「やはり気付いていたか。
…そういえば…あいつに触りまくってたからな。気付かないわけがないか。」


「嫌な言い方をするな…妬いてるのか?」


「…妬くのは、俺じゃないだろう。」


話がよく分からないが、何故か白牙のその言葉が胸に残った。


“妬くのは、俺じゃない”


じゃあ、妬くのは誰…?

誰の事を言ってるの?


断ち切るモノなんて全く何の事か分からないのに、作れるって…どういう事?



傷ついたら、魔王はどうなるの―――?