柚葉が戻ってくるなんて、ありえへんことやのに…
昴「明日ライブやな、お前いけるんか?」

章大「うん、全然頑張れる」

昴「そうか…まぁその状態で大丈夫ちゃうくらい分かるわ、無理すんなよ?」

章大「渋やん…ありがとう」

昴「ん。今回は一人一人にソロコーナーあるし、自分のやりたいだけやっちらかしてこい」

章大「うん、頑張ろな!」





柚葉をライブに呼んであげることは出来ひんかったけど、届けれるものはある。


きっと僕の歌声は。

遠く離れてしまったけど、柚葉の心には届くやんな。




柚葉が好きな僕で居られるように、柚葉が僕を愛してくれた日々を思い出しながら。

届けるよ、僕の音を。
スポットライトに照らされる瞬間、僕は自分の全てを見られているような気持ちになる。

ステージから見える客席は本当に大きく感じて、思わず生唾を飲んでしまった。



大丈夫、きっとこの想いを全ての人に伝えることが出来る。

僕は一人じゃない。





章大「今回、僕はソロ曲の方を作詞作曲させてもらいました」





ギターをゆっくり肩にかけながら前を向いて堂々とする。

スタンドマイクの前に立って袖口に立っている渋やんに微笑みかけた。





章大「今から唄う歌は何て言うんかな、気持ちのままに綴りました。嘘のない、僕の思ったがままの歌です」





柚葉、聞こえてる?

今から僕は歌を唄うよ。


柚葉に届くように一生懸命唄うから、柚葉もこの歌を聴いて何か感じてくれたら嬉しいな。



ふうっと空気を吸い、真っ直ぐ前を見る。





章大「みんなの心に届くように唄います、Awakening」