加奈子は、やっぱり、優希のことが好きだったんだ。




きっと、諦め切れなくて、くやしくて、私たちの後をこっそり追いかけたり、先生にチクっちゃったりしたんだよね。


そういう気持ちが、よく分かった。だって私も、加奈子の告白を優希が秘密にしていたことで、激しくやきもちを焼いて、思っても見ないことを言ったり、やったりしちゃったから。



人を好きになる気持ちは、みんな同じく、弱虫なんだね。





クラスの中で先頭きって、見ないふりをしてくれていた歩香が、ちらっと私を見た。


そして、「えらいぞ」と声に出さずに唇で言って、顔をくしゃっとして笑った。






窓の外には、金色の銀杏の葉が風に舞っていた。


私のママがいなくなって、一年が経とうとしていた。

***"Amy"fin***