【短編】また…いつの日か





あたしは駿の隣にいるだけで安心できる。

悲しい時も笑えるようになる。



こんな風に変えてくれたのは駿…






いつの間にか日も暮れ、一段と寒くなった。


「奈津…上」


駿に言われて上を見ると、空にキレイな星がちりばめられていた。



その中でも一際輝くひとつの星…


駿がちゃんとした人生を送れますように…



あたしは名前も知らないその星に願いをかけた。




隣では「すげー…」って感激してる駿…


そんな駿を見てると、自然と笑顔になった。




駿の目にも、キレイな星がキラキラと輝いている。


そのキレイな瞳が曇ってしまいませんように…
いつまでも真っ直ぐな駿でいてください…




気づかないうちに涙がこぼれていた。




「泣くほどキレイだった?」


「え…あホントだ」



駿に言われて、慌てて涙をぬぐった。




「ピュアだね…奈津は」


あたしがピュア?
そんなことない…

今だって、駿と離れたくなくて、自分のためにタイムリミットのついた恋に、駿を振り回してる…
この時間がずっと続けばいいって思ってる…



「そろそろ帰りますか…」


駿のその言葉に現実にひきもどされた。


「ん…」




あたしたちは、海を離れた。