【短編】また…いつの日か






…ザーー


「寒!!」


あたしは駿に海に行きたいって言ったんだ。


「こんな時期に海ですか?」


「うん!」


「寒そうだな…」なんて言いながらも、笑って連れてきてくれる。



「ここ…あれっすよね?」


「うん、2人で初めて来た場所」


「あの時もすっげぇ寒かった…」


「うん…」




付き合ってすぐにはなかなか休みが取れなくて、最初のまとまった休みもちょうど、この頃だった。



「なんで寒い海が好きなんすか?」


「なんでだろうね…落ち着く」



海からの冷たい潮風に当たると、自分の気持ちがハッキリする。




あたしの家からはちょっと遠いこの海。


着いたのはもう3時頃だった。



高速の途中で遅いお昼ご飯を食べて、またそれからドライブ…